個展でライブペインティングを見てきた話
現在、魅力的な絵を描かれることで(僕の中で)有名なイラストレータの今野先生の個展が開催されています。
まだ開催中なので興味がある人は明日とか見にいくと良いと思う。
その会場で先週末に行われたライブペインティング、縁あってそれなりに長い時間(といっても全工程の半分弱)見ることができたので、
見ながら考えたことなどを記録しておこうと思う。
#時間をおいて整理しようと思ったが、整理しても微妙な感じになったので以下乱文ご容赦。
土曜日、ライブペインティングが開始されるという午後2時に会場に行く。
すぐ後に今野先生が来られた。
道具を整え、準備を一通り終えてスタート。
最初はシャーペンを手に小さなメモ帳に向かうところから。
頭の中で作られていたと思われるイメージを落とす作業と推測できた。
重要度の高い線、人物の体勢の構図等がメインで他はほとんど描かれていなかったように思う。
この作業はものの数分で終わり、次の作業へ。
実際に絵を描く布に向き合い、先ほどのメモを元にシャーペンで下書きを描いていく。
この段階でもかなりの速度でペンを走らせている。正直、速い。
下書きは1時間弱で終えてしまわれたが、その間に使われたシャーペンの芯は2本と少し。
この1時間はじっくり見ていたが、シャーペンの芯が折れることは一度もなかった。
ペンと布に対して、適切な力加減を保ちながら高速に描くというのは、それだけでかなり高度な技術だと思う。
下書きが終わるとすぐに色を塗り始める。
このあたりからは、未知の領域だと思って見ていた。
どこからどの順序で色を塗っていくか、各箇所がどの程度思い通りに塗れれば完成するのか。
それらのイメージがこの時点で(あるいは下書き以前の段階で)頭の中にあったのだろうか。
それとも、色を塗りながらその場で臨機応変に微調整を重ねていたのか。
それは最後まで見てもわからなかった。
色を塗る作業に関して、見ていてわかったことは、「下書きと(おおむね)逆順に処理されているようだ」ということ。
下書きは人物を描き、周辺の物体を描き、そして背景を描いていた。
しかし色を塗るときは背景からはじまり、人物(特に顔などの肌色の部分)は最後の方まで塗られずにいたように思う。
作業全体を、細々とした作業に分解したとき、それらをどのように計画立ててこなしているのか。
表層意識で様々なことを考えながら筆を動かしているのか、あるいはその瞬間は無に近い心境なのか。
そのあたりは本人に聞いてみなければわからないが、自分が見ていて気になったことがいくつかある。
- 途中で別の場所の色を塗りなおしたい、あるいは塗り忘れ等に気づいた場合に、今やってる作業とどちらを優先するのか
- 色を塗る順番は決まっているのかどうか
- 今回の8時間での作業において、何時間でここまで終わっている想定、みたいな目算があったかどうか
いつか機会があったら聞いてみたいものだ。