risou's Lithograph

毎日使っている Glove80 の弱点を解消した新作 Go60

2026-04-05

昨年の11月下旬頃だったか、 KickStarter からのメールでこのキーボードの存在を知った。

Go60 - MoErgo

元々4年くらい前に KickStarter でバックして、届いて以来3年弱使っているキーボード Glove80 の開発元 MoErgo が作った新しいキーボードが Go60 だ。

Glove80 という新しいキーボードが届いたので試している

今回も KickStarter で pledge することで先んじて手に入れることができそうだったので、迷わず注文した。
注文を迷わなかったのは、 Glove80 が期待通りに良い製品で、この3年間ほぼ毎日利用している愛用のキーボードだったから。不安なく Go60 に期待することができた。

2025年は、国内でもそれまでと比べてオフィス回帰が進んでおり、自分もオフィスに行くことが増えた一年だった。一時期は Glove80 を持っていっていたが、如何せん嵩張るし、その割にたまの出社となると会議が多く作業時間をあまり取れないため、荷物を減らすために家に置いていくようになっていた。 Glove80 とは違うキーボードをオフィス用に購入して試してみたりもしたが、自分の期待に応えられる品質ではなかったりで、オフィス用キーボードに困っていた。

そんなときに存在を知ったのが Go60 だ。
Go60 は少なくとも Glove80 と比較するとかなりサイズの小さい60%キーボードで、以下のような特徴を持っている。

  • 分割キーボード
  • ロープロファイル
  • 60%
  • BLE 対応
  • カーソルの操作などに使えるタッチパッド
  • 静音スイッチ

これらの特徴は、持ち運び用のキーボードとして自分が求めている条件をかなりクリアしている。

一方で Glove80 とは違ってお椀型ではない。が、これは持ち運びのことを考えると諦めざるを得ないし、60%なのでお椀型にするメリットもフルキーボードと比べると幾分か少ないといえる。

また MoErgo の静音スイッチについては発売当初から気になっていた。
押下圧30gの桜と押下圧45gの梅。
現在販売されている Glove80 ではどちらも選択可能だが、初期の KickStarter 版の Glove80 では選択できず、 KickStarter 版の Glove80 はホットスワップではないため、キースイッチだけ購入して付け替えることもできずにいた。
(かなり悩んだが、流石に円安が続く状況下で Glove80 をもう1つ買うという決断はできずにいた)

Glove80 の頃と比べると、円安の影響でかなり高額になってしまっていたが、金額以外は全てが良い Go60 を入手しない理由がなかったので、なんとかお金を工面した。

MoErgo にとって最初の製品だった Glove80 と違い、 Go60 ではクラウドファウンディングに需要調査の意味合いが少なかったのだろう、 Go60 は KickStarter に情報がでた時点で既に製造の見込みがついており、当初のスケジュール通り年末には集荷され、自分は1月8日に受け取ることができた。

というわけで約3ヶ月使ってみての感想をいくつかの視点からまとめて以下に記す。

Go60 with tenting
テンティング使っている状態。 LED は写真映えのためつけており、普段はオフにしている。

持ち運び

やはりまずは Glove80 でカバーできていなかった持ち運びに関して整理しておきたい。

毎日持ち運べる

Glove80 と比較してサイズの小ささはやはり画期的で、気軽に持ち運べる。
製品には持ち運び用のケースと袋が同梱されており、追加の投資なしに安全に持ち運ぶことができるのは、非常に良い体験だった。

打鍵音がとても静か

静音スイッチを採用しているのだから当然かも知れないが、打鍵音はとても静か。
これが先の「毎日持ち運べる」と相性が良い。
出先(自分の場合は基本的にオフィス)において、周囲を気にすることなく使うことができる。

テンティングキットも持ち運べる

製品には親指側の高さを調整するためのテンティングキットが含まれている。
数段階の高さに調節可能なテンティングキットで、本体とは磁力で接続する形式になっている。
このテンティングキットにも持ち運び用の巾着袋が付属しており、本体と一緒に持ち運ぶことができる。

普段の作業環境での利用

もちろん普段自宅で作業する際にも利用できる。

専用パームレスト

Go60 専用のパームレストがある。
これも磁力でキーボード本体と接続する形式で、さらにはパームレスト用のテンティングキットも付属している。
パームレストありで使用する際にも高さ調節ができるのは非常にありがたい。
(一応パームレスト自体も少し傾きがあって、この角度がちょうどよいという人もいると思う)

さらにこのパームレストの木の部分が良く、個人的には高級感を感じるレベルだ。
しかもパームレストをつけた状態での使い心地が非常に良い。

実はこのパームレストも巾着袋が付属しており、持ち運ぶことができるようになっている。
が、さすがにこれも持ち運ぶと嵩張ってしまって Glove80 を持ち運ぶのと同じ問題が発生してしまうので、自分は基本的にパームレストは自宅用として置きっぱなしにしている。

パームレストなしの運用

もちろん、自宅でもパームレストなしで運用できる。ちょっと環境を変えて作業するときでも部屋間の持ち運びはしやすいし、ラップトップ+ Go60 という組み合わせもかなり便利だ。

タッチパッド

キーボードだけ持ち運べても、カーソル操作には別でマウスが必要だったり、ラップトップに内蔵されているトラックパッドを使うことになったりする。
Go60 には左右に1つずつタッチパッドがついており、これにカーソル操作やスクロール、クリックなどを割り当てることができる。

カーソル操作については、マウスやラップトップ内臓のトラックパッドと比較して正直性能面では物足りない。無意識にうまく操作するには相当な習熟が必要だと感じている。
ただし、普段はほとんどの操作をキーボードで完結させ、マウスの使用を最低限に抑えることができているユーザーであれば、その最低限を賄うには十分かもしれない。
自分は作業の内容にもよるが、ターミナルに長く引きこもっていられるような作業も少なくないので、そのような状況ではこのタッチパッドを便利に活用できている。

とはいえ、これがあればマウスが不要かというとそんなことはなく、たとえばドラッグアンドドロップをこれで行うのは正直難しい。

カスタマイズ

ホットスワップ

Glove80 のときはホットスワップではなかったため桜や梅といった静音スイッチを試せなかったが、 Go60 はホットスワップに対応している。
現時点ではその恩恵を受ける予定はないが、将来「今使っている桜もいいけど、軽すぎるよりは45gの方が良いかも」となったときにキースイッチを買い足せば本体をそのまま使えるのはありがたい。

キーキャップ

当然キーキャップも付け替えることができる。
とはいえ、個人的にはデフォルトで付属している POM キーキャップがおすすめ。
LED を綺麗に透過する白のキーキャップは Glove80 および Go60 のキーキャップとして最も適切といって差し支えない。

ただ、自分は今回、ベースカラーを黒(正確にはグレー)をしたかったため、 LED を透過できる黒色のキーキャップとして Double-shot PBT/PC の Black with smoky transparent を別途購入した。

ついでに色選択の理由を記しておく。

まず、唯一選択肢がないのがタッチパッドの部分で、ここは黒しかない。 MoErgo 製品の白は個人的にはかなり好きな部類で、 Glove80 の時も白を選択したのだけど、ベースを白にしてしまうと、白の中でタッチパッドの黒がどうしても目立ってしまう。
これを避けるため、ベースをグレーにした。
そうすると今度はベースがグレーでキーキャップが白になる。
これは個人的にはちょっと好みではなかった(ベースがグレーの商品の写真を見て知人は「歯のように見える」と言った)。
キーキャップを黒に変えることを検討したが、普通の黒のキーキャップでは LED を見ることができない。 MoErgo のキーボードはバッテリー残量や Bluetooth の設定を LED で確認できる仕様であるため、 LED は表示したい。
そのため LED 透過用の窓がついたキーキャップを購入した。窓の部分が透明のものとスモーキーのものがあり後者を選択したが、その際には Discord で様々な人が貼ってくれた写真を参考にした。

キーレイアウト

当然キー配列のカスタマイズも重要だ。
カスタマイズの自由度は完璧ではないものの、 MoErgo が公式で提供している Layout Editor が使い勝手が良く便利。
正直なところ、大抵のケースではこの Layout Editor を使うのが正解だと思う。

万が一 Layout Editor で設定できないようなカスタマイズがしたい場合も ZMK での柔軟な設定が可能で、 GitHub 上に Go60 用の config が公開されている。

個人的にちょっと不便なところ

もちろんメリットばかりでもない、というかある人にとってのメリットはある人にとってのデメリットなわけで、自分にとってここがちょっとなあ……と思うところも記載しておく。

z/ の手前にキーがない

自分の分割キーボードにおけるレイアウトは Kinesis Contoured Keyboard だ。
そこからいくつかの製品を経て今に至っているが、 Glove80 でも概ね Kinesis 自体と同じ設定で利用している。
そのため、 z の下に ` が、 / の下に ] があってほしい。
Go60ではこれを再現することができない。

親指キーの区別がつきづらい

この手の分割キーボードでは親指キーが重要だ。
Go60 の親指キーの数は少なくはなく、その点には助けられている。
一方で、自分が今指を置いているキーがどれかが感覚的に分かりづらい。
このため使い始めた頃はかなり操作ミスが発生した。

といいつつ、流石に3ヶ月弱も使っていれば慣れてきており、最近はそんなに困っていない。
この点、 US キーボードと JIS キーボードを切り替えてもそんなに混乱しないし、たまに dvorak やかな入力を使ってもあまり混乱しない自分の特性に寄るところが大きい気がする。
(周りではこれらの切り替えができないという声が大半であり、そのような人たちは慣れるまでにより多くの時間が必要かもしれない)

持ち運び用のケースの色が選べない

付属してくるケースの色が黄色なのだけど、個人的にはキーボード本体の色に合わせたかった。
とはいえ、ケースごと巾着袋に入れて持ち運ぶので正直そんなに強いこだわりはない。
これは不必要な意見かもしれない、と自分でも思う。

Go60 with Palm Rest
パームレストにドッキングした状態。 LED は写真映えのため(ry。

Glove80 と Go60 でどこでも快適に作業できる

正直、このキーボードは自分がキーボードに求めているもののほとんどを満たしてくれる、最高に近い製品だと思っている。

パームレストも含めて考えれば、自宅でも出先でも Go60 ひとつあればよい、という状況にできている。
バッテリーの持ちも非常によく、急に使えなくなって困るという経験もまだしていない。

もし、メインの作業場所が2つになっても Glove80 もあるので今後もこの布陣で十分にやっていけると確信している。
この2つと長く付き合っていくつもりなので、大事に扱っていきたい。

2026-04-05T14:21:17.306009Z